社宅は名義変更できるの？考えられるケースと対応について解説グッドマンスリー

2021/12/23

社宅は名義変更できるの？考えられるケースと対応について解説

社宅として賃貸物件を利用している場合、さまざまな事情により当初賃貸借契約を結んだときとは状況が変化することもありえるでしょう。その場合は当初の契約をそのまま続行するのではなく、社宅の名義変更を行うことが必要なケースも出てきます。今回は、社宅の名義変更を行うときの手続きの流れを、手続きを行う際に気を付けなければならないポイントと併せて解説します。

契約者である法人の名称が変わっただけなら名義変更でOK

賃貸物件に入居する場合、貸主と借主の間で賃貸借契約が結ばれます。賃貸借契約書に記載された借主以外は該当する賃貸物件を借りることができません。さまざまな事情で当初契約を結んだときとは状況が変化した場合、名義変更を行う必要があります。名義変更とは、賃貸借契約書に記載されている借主の名前を変更することです。名義変更をしなければならないのにそれを怠って賃貸物件に住み続けた場合、退去を求められる可能性があります。そのため、名義変更が必要な場合は忘れずに手続きを行いましょう。名義変更が必要となるのは、個人の場合は結婚して名字が変わったとき、法人の場合は賃貸借契約を締結した後に社名の変更があった場合です。これらの場合、氏名や社名が変更になっても賃貸借契約を締結した賃貸人と賃借人という根本は変化していないので、名義変更の手続きで対応できます

法人契約の社宅を個人契約に変更したいときは契約を結び直す

個人で賃貸物件を借りる場合、自分で住まいを探して不動産会社などを通じて貸主と賃貸借契約を結びます。個人契約した物件を借り上げ社宅に切り替える場合もありますが、よくあるのは借り上げ社宅として法人契約した物件を個人契約に変更するケースです。たとえば、企業を退職もしくは転職したものの、子どもの学校や配偶者の通勤の都合などで同じ物件に住み続けたい場合などが該当します。借り上げ社宅は企業が貸主と賃貸借契約を結んでおり、敷金や礼金、月々の賃料は企業が貸主に支払います。社宅に入居する社員は初期費用を負担することはなく、月々の賃料の一部を給料から天引きされるのが一般的です。法人契約の社宅を個人契約に変更する場合、企業が支払った敷金や礼金は貸主に返却され、貸主と個人の間で再契約もしくは新規契約を結ぶ必要があります。

社宅を名義変更する手続きの流れ

名義変更のみを行う場合は、名前や企業名の変更が分かる書類を提出し、変更契約や覚書などの書類を交わします。再契約または新規契約を行う場合は、現段階で結んでいる契約を終了し、新たな契約の申込みが必要です。新たな契約を結ぶ際には、家賃の支払い能力などの審査を受けます。年収などの情報が記載された書類や運転免許証・パスポートなど顔写真付きの身分証明書の提出を求められることが多いものの、必要書類は不動産会社により異なるので確認が必要です。これらの書類や申込書を元に審査を受け、審査に通過すれば重要事項説明を受け、新たな賃貸借契約を結びます。その後、家賃などの払い込みを行う流れです。

社宅を名義変更するとき気をつけておきたいポイント

借り上げ社宅の場合は、前述したように企業が貸主に敷金を預けています。個人契約に変更することで企業が預けた敷金を次の契約者に引き継がせるか、次の契約者が新たに敷金を貸主に預けるのか確認が必要です。法人契約を終えるにあたって原状回復費を敷金から精算するのが一般的ですが、入居者は変わらず家具などもそのまま置かれた状況下では、現状の確認は現実的ではありません。将来的に個人契約を解消するときに法人契約だった期間の原状回復費をどう判断するのか、あらかじめ貸主に確認しておきましょう。また、賃貸借契約を締結する際に仲介業者を通す場合は、仲介手数料が必要となる場合があります。個人契約になるにあたり、保証人を立てなければならない場合や保証会社を利用することが物件を借りる条件となっている場合があるので、確認が必要です。

手続き方法を確認して適切に社宅の名義変更をしよう

社宅の住人の名前や企業の名称が変わったときなど、賃貸人と賃借人という賃貸借契約の根本的な部分に変化のない場合は名義変更を行えば済みます。法人契約の社宅を事情により個人契約に変更する場合は、現段階の契約を解約して新規契約または再契約を結ぶことが必要です。手続き方法や必要書類などはそれぞれのケースで異なりますので、事前に確認をしてスムーズに手続きを行いましょう。

記事一覧 >