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配偶者の仕事や子どもの学校などの事情で単身赴任を選ばざるを得ないケースもあるでしょう。しかし、家族を元の住所に残す単身赴任は生活の負担が二重になり、経済的にも負担が増えるものです。単身赴任をするにあたって、手当がどのくらいもらえるのかが気になっている人もいるでしょう。この記事では、単身赴任手当の相場を説明していきます。
国家公務員の単身赴任手当は、人事院規則により基本が月額3万円と決められています。また距離に応じた加算額が設定されていて、基本給に加えて支給されるのです。加算額は100km以上300km未満なら8000円、300km以上500km未満なら1万6000円、500km以上700km未満なら2万4000円と、200kmごとに10段階で設定されていて、2500km以上だと一律7万円が加算されます。 国家公務員の場合、本人のみが単身で転居すること、ルームシェアなどをせず一人暮らしをすること、通勤距離が60km以上で通勤が困難なこと、別居をするやむを得ない事情があることなど、単身赴任手当を受け取るための要件も厳格です。
民間企業の単身赴任手当は法律で決められているわけではありません。金額や単身赴任手当を受け取るための条件も企業によって異なります。なかには、単身赴任手当を支給していない企業もあります。厚生労働省が発表した「平成27年（2015年）就労条件総合調査の概況」によると、2014年11月時点で単身赴任手当を支給している企業は13.9％でした。また、単身赴任手当の手当相場は4万6065円でした。このうち従業員数が1000人以上の企業だと4万8949円、300〜999人の企業で4万3255円、100〜299人の企業で4万2737円、100人未満の企業で3万6834円となりました。
単身赴任をする際、単身赴任手当以外にも受け取れる手当や補助があります。一般的なのは家賃補助（住宅手当）と転勤支度金（単身赴任準備金）ですが、帰省のための旅費手当を出している企業もあります。家賃補助（住宅手当）は住居にかかる費用負担を軽減してくれるもので、単身赴任かどうかに関わらず支給されるものです。「平成27年（2015年）就労条件総合調査の概況」によると、全国平均は1万7000円です。ただし、単身赴任については住居費の8割の手当を支給しているところもありますし、家賃補助ではなく、借り上げ住宅や寮を用意しているところもあり、手厚くなる場合もあります。 国家公務員については、単身赴任先の家賃が月額1万2000円以上ならば住宅手当がもらえます。また、家族の住んでいる住宅については、単身赴任先の住宅にかかる住宅手当の2分の1が支給されます。転勤支度金（単身赴任準備金）は単身赴任を選ぶかどうかに関わらず、転居を伴う異動に際して出しているところが多いです。引っ越し費用だけでなく、家電製品や家具の購入費用を支給しているところもあります。また、帰省のための旅費手当を支給している企業の多くが、帰省の回数や頻度、手当の額などのルールをきちんと決めています。
単身赴任手当や住居手当などの手当は給与の一部として企業から支払われるので、基本的に課税対象です。一方、単身赴任先の住居が借り上げ住宅で、住居費が給料から天引きされている場合は非課税となります。また、出張など業務のついでに帰省した際の交通費は経費となるため、非課税です。ただし、非課税となるのは例外的なものです。単身赴任に際して支給された手当がそのまま手元に残るわけではない点を理解しておきましょう。
民間企業の単身赴任手当の相場は約4万6000円で、企業ごとに異なります。また、単身赴任手当のほかにも住宅手当や転勤支度金、帰省のための旅費手当などを受け取れる場合もあり、就業規則で決められているケースが多いです。単身赴任が決まったら、勤めている企業の就業規則などを確認し、受けられる手当や補助を把握し、新しい生活に備えましょう。
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